Magnolia

Img_c0c32a4c9837b4fbce3afb7f08292355

〜七月、暑い日の美術館にて〜

花びらは、湿り気のある濃いミルクの白
手のひらにこぼれるほどの大輪は
深いみどりの大木に配置され
アールデコのテラスの柵まで降りている

木漏れ日が、白い腕に模様をつけ
肩をぎゅっと掴まれたような緊張感
大輪の白い花
少しも触れずに立っていよう
風がくれる香りだけ確かめながら









(C)2016 Junko Atsumi

ReStart

Img_6f3dba279329e34ba540e592a92aeb67









あの時の歯車が錆びついた
海辺に座り、鞄を逆さに振ってみる
オーバルの、飴色のOil瓶を見つければ
また軽やかに回り出せる









(C)2016 Junko Atsumi

Friend

Img_10cb5519097d9fd3e5ca6ece5733035c





黒い犬は、深いグレーの瞳で見上げ
光る鼻先をツン!とこちらに向けてくる
風の日は耳を羽ばたかせ
目をしばたいて前進する
あなたほどの勇気と温もりが
私にもあったなら・・









(C)2016 Junko Atsumi

Nostalgia 

Img_ca8ec13708a909c0a3408e7b9887319e






街の中に、突如古めかしい画材屋
ウィンドウの主役はひときわ色白の石膏像
道具だらけの隙間から
うつ向いたままの上目遣いで店主が微笑んだ
あれは「いらっしゃい」だったのか?
   
扉を開けていたら、何かが変わっただろうか









(C)2016 Junko Atsumi