Prussian blue

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色褪せたプルシアンブルーの向かい席
ベンチは起毛のベロアだったように想う
背もたれはRのかかった分厚い木で
ニスがやわらかく光っていた
  
車輪が動き始めるとフィルムが回り
走る景色が上映される
海岸のテトラポッドに、山の葡萄畑
その先、大きな庭の白い家まで畑が続く
   
ラストシーンが楽しみだ









(C)2016 Junko Atsumi

a whistle

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心地よい風が吹くあの丘へは
すぐに行けないことは知っている
走って走って迷って走って
ある日、1枚の花びらが示してくれたのは
あの丘への道だった
   
ギンガムチェックのクロスを掛けてお茶を飲もう
リズミカルに弾んだっていいし
口笛を吹いたっていいんだよ









(C)2016 Junko Atsumi

Sunset

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満ちた海、小さな手で父の肩につかまり
ゆらゆらと足は波にまかせたまま
恐ろしいほど煌めく夕陽を
戦友気どりに言葉無く眺める
そのとき確かに、二人は無敵だと思えた









(C)2016 Junko Atsumi

Grandmother

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ソトマゴとおばあちゃんの関係は恋人のようで
さして話すことも無いのにすぐに会いたくなる   
ソトマゴはシャイなので話は途切れ
間もなく「お菓子のカンカン」登場!
それはおばあちゃんの持っているお菓子というお菓子が
いっぱい詰まったすてきなカンカンなのだが、
    
金平糖とゼリーはひっつき
しょうゆ煎餅とサブレもひっつき
みんな少々やわらかい・・・
「好きなだけ食べな」

今日もソトマゴは
カンカンの中をじぃっと見つめ、期待に応えるのであった








(C)2016 Junko Atsumi